フェミニズムの害毒

暇つぶし程度にはなるかと読み始めた「家族を蔑む人々」であるが、これまで感じていた疑問点の幾つが氷解した。その第一は国の施策として推し進められている男女共同参画社会で、男女共同参画審議会における言い分の非合理さの背景が明るみになったことである。

男女共同参画社会についてはホームページで二度ほど取り上げたが、当時は「フェミニズム思想」なるものについて全く知らず、単に害悪を広めるための施策としてしか捉えていなかった。そしてそのため、男女共同参画審議会による意見募集に対して私なりの見解をまとめたものを応募したが、彼女らにしてみれば私のような見解に耳を貸す気は最初からなかったのであろう。

男女共同参画審議会の存在を初めて知ったのは新聞紙上である。その内容がどのようなものであったのかの記憶はないが、男女共同参画社会への批判文を書いたのが1998年2月26日となっていることから、同月か前月ではないかと推察できる。
批判文は独立したものではなく、パソコン通信PC-VANにおけるログ公開に伴う解説記事の一部として扱っており、ページタイトル「オバン実態記録」における中核記事となっている。

男女共同参画社会への批判第二弾は、先に述べた男女共同参画審議会による意見募集に応募した内容に若干の付け足しを行い、「男女共同参画審議会の虚構」と題しエッセイに収めた。
記録によれば作成日が2000年06月02日となっているので、前回に批判文を掲載した時より2年足らずしか経ってないことになるものの、意見文でも触れているように害毒の広がりを見せ付けるものである。

PC-VANでは討論を頻繁的に行っていたが、女性を相手にした討論は数えるほどしかない。その大きな理由として女性は感情論に走りやすいため物事を大局的に捉えるのが不得手で、内容が矮小化されてしまう欠点が付いてまわるからである。
そのため中身の濃い討論は期待できないことから、原則として女性とは討論しない方針でいた。しかしひょんなことから始まった討論の相手が女性であることが判明したものの、相手が女性であることを認めようとしないために延々と続けたのは例外のひとつである。

その討論はもっぱら男女の事柄についてのものであったが、今から思えば相手はフェミニズム運動と関わりを持っていたようである。相手の主張点には「家族を蔑む人々」で紹介されていた事柄に類似する点が幾つも見受けられ、ジェンダーに関わることも題材のひとつとして登場した。
しかし当時の私はフェミニズムやジェンダーについての知識がないも同然で、読み返してみれば性差は後天的に作られるかのような主張になっている箇所も見られるが、今ならば先天的であることを強く打ち出すことができたであろう。
この討論は1993年末から1994年にかけて行ったものであるが、『男性に化けた愚かな女性の見本[修正版]』と題して公開している。

「家族を蔑む人々」を読んだことをことをきっかけにしてフェミニズムに多少ながら関心を持ち、著者の林道義氏のホームページを探してみたが相当の文書量のように見受けられる。フェミニズム以外にユング研究の項目もあるが、暇があり次第順次読み進めているところである。
2005年10月31日