姪の死

田舎に帰って間もなく姪が死んだことを聞いた。話によれば昨年の9月に癌で死んだそうで、おふくろも知らされてから間がないと言う。当然おふくろたちは葬儀に参列してないわけだが、姪の親の気持ちの整理が付いてなかったのが大きな理由のようである。

昨今のように兄弟が少ないわけではないので甥や姪は10人を超える。社会に出てからは兄弟と会う機会が極端に少なく、その関係で甥や姪に一度は会ったことがあっても関係は薄い。
しかし死んだ姪は私とは12歳しか離れておらず、私がまだ家に居たときに里帰りした姉に連れられやって来る度に姪と遊んでやっていたので、幼い時の姪の記憶が今でも生々しい。

社会に出てからは他の姪や甥と同様に会う機会が少なくなったものの、何らかの機会で会った時には私に遊んでもらった時のことを話す時が度々会った。
そのため一番親近感のある姪でもあったわけだが、姪が死んだ話を聞いても特に悲しさを感じないのが自分でも不思議である。

またおふくろも孫が死んだことを話すのに悲しそうな様子を見せることもなく、淡々とした調子であったのも解せない。私より遥かに多く孫と会っていたにも関わらずである。

自分の生活に直接関わりある人物の死であるなら心に空洞が生じ、それが悲しさに結びつくのであろうが、おふくろも私も姪の存在が自身の生活に直接は結びついてないためかもしれない。
或いはまた、年を重ねるほどに何事にも無感覚・無関心になって、ちょっとやそっとの事では心が揺り動かされなくなってしまうことも考えられるが、そうだとすると寂しい限りである。
2005年08月28日