憲法第九条のみが憲法改悪の目玉ではない

現在の憲法第九条では軍隊を保有できないとされているにも関わらず、「国際法では自衛権は認められている」ことを理由として掲げ、軍備をちゃくちゃくと増強してきた。その結果、自衛隊は日本帝国陸海軍を遥かに上回る軍事力を備えることとなった。

以前においては朝鮮半島への攻撃能力が問題とされ、F4ファントム戦闘機から爆撃装置を取り除くことが行われたが、今では空中給油機も導入して朝鮮半島どころか支那大陸やロシアまでも攻撃範囲に出来るほど戦闘能力が高まっている。
更には海外派兵を行うようになり、米国と共に「侵略戦争」を行える体制まで整えてしまった。という状況において憲法第九条を改定してしまうと、【徴兵制の採用】並びに【公然とした侵略戦争】に乗り出せることとなる。

自民党は今なお「自衛のためにのみ」というお題目を唱えたがるが【攻撃は最大の防御なり】というありふれた言い回しとともに、【前進基地を作っての防御性】の効果性を持ち出してくるはずである。つまりは大昔の侵略戦争とは幾分形態はことなるものの、実質的には侵略戦争とさほど代わりはない。

また天皇を日本の元首に据え、間接的には【天皇が軍隊を統率できる立場】にし、国民を国のために【敷いては天皇のために】隷属させようとするため、基本的人権を【国家が蔑ろにできる】ことを定め、司法を内閣の下に位置付けて三権分立を瓦解させて・・・という、つまりは戦前の体制と実質的には変わりないようにしようというのが日本会議、敷いては自民党の考えていることなのである。
2017年05月03日