何事も諸刃の剣だ

◆ネット選挙「偽物」どう防ぐ?

選挙演説にしたって候補者の一方的演説だけでなく、聴衆から罵声を浴びせかけることだってありうる。この場合には選挙妨害が適用されたような気はするが、ネットは元々双方向性の特質を備えている。だから一方の発言だけを有利に展開するには、コメントはできないようにしておくことが肝要だ。

しかし発言自体は誰でもできるので、他の場所で異論や反論を唱えることは容易である。

かって政党各党のウエブサイトでは掲示板を併設しているところが少なくなく、誰でもそこで書き込みをすることができた。しかしその政党にとって煙たい発言であっても簡単には削除できない。問答無用に削除してしまえば、それを理由として火の手が上がるだけどころが他に飛び火して収集困難な状態になってしまう可能性があるからだ。

私がよく書き込みをしていたの民主党の掲示板だったが、ある時管理人を名乗る人物から因縁を付けられたことがある。どんな理由であったかは倉庫にしまってあるログを調べてみないと思い出せないが、簡単に引き下がる私ではないので反論を展開して結局は話はウヤムヤとなってしまった。

自民党の掲示板は民主党の掲示板のようには賑わってはいなかったので書き込みは滅多にしか行わなかったが、自民党議員の過去の行動を引き合いに出して意見を展開したり、国旗・国歌法案と天皇との扱いについて書込したこともある。
自民党にとっては煙たい発言だろうということは重々承知の上で書き込もしたのであるが、この時には掲示板管理者から一言も文句は付けられなかった。民主党掲示板での出来事を知っていたか、あるいは掲示板を管理しようという気がなく目を通してなかったのかのいずれだと思えるが、幾ばくもしないうちに掲示板は閉鎖されていた。

「煙たい発言」を悪質発言と言い換えることは可能だが、それに対してどう対応するべきか(対応できるか)が肝要である。自分ちのウエブサイトに併設してある掲示板のようなものなら削除して封じてしまうのは容易でも、自分では削除できないもしくは削除してしまうと火に油を注ぐことになるやもしれない事態が予想できる場合の対応だろう。

私などは向こうが「会話をする気はある」のならどんな内容でも大歓迎で、以前には開設していたMIDIを配布するサイトに押しかけてきたJASRACの犬どもと論戦して叩き潰すことに喜びを感じたぐらいである。

いまではあちこちの掲示板に出かけて会話するなんてことは面倒になって足が遠のいているが、ネット選挙が解禁となればそれぞれの候補者のあら探しをしつつ、「この候補者は以前にどうのこうので」などといった調子の選挙応援をする気になるかもしれない。


2012年12月22日