人権無視が加速してるな

■留置施設も全面禁煙=全国で来年4月から―受動喫煙防止・警察庁

日本はもともと人権意識が薄い国である。人権の要は自由権で『国家権力の介入や干渉を排除して個人の自由を確保する権利』が、「思想の自由、宗教の自由、言論の自由、集会・結社の自由、居住・移転の自由、信書の秘密、住居の不可侵、財産権の不可侵」として規定されることになった。

日本は革命を経験してない数少ない國のひとつだが、「大衆が結集して権力を倒した」歴史的体験がないために封建体質が今なお受け継がれ、個人の自由より権力者への従順の方が力強い状態となっており、今なお「お上(施政者)には逆らえない(逆らわない)とか、天皇といった穀潰しを殊更崇めてしまう人が少なくないのである。

日本における人権は大衆が自ら勝ち取ったものではなく、明治期に「お上から与えられた」ことに端を発している。そして大東亜戦争の敗戦によって敵国であった米国の占領政策によって更に進展したものの、人々に「人権とは自らが手に入れるもの」といった意識が芽生えることはなかった。
つまり人権も「お上(天皇)から情けとして与えられるもの」といった明治期における意識とさほど変化はなく、ために現代の『お上の方針に従順なことが正義である』といったような考え方をする人までいるのである。

このような歴史的経緯があるために日本人には、「自らの頭だけで考える」といったことが不得手な人が少なくない。「他者の受け売り」を初めてして「他者の意見に流される」、「他者(特に何らかの力のある者)の意見に逆らわない」といったことを旨とする人が巷に溢れているばかりか、『迎合という奴隷並みの従順さ』を美徳と勘違いしている人までいる始末である。

そのために拘置所や刑務所それに警察において収監されている人々に対しての扱いと人権との兼ね合いを軽視しがちな人が少なくなく、「収監されているのだから当然のことだ」などといった馬鹿発言をする人も珍しくないのが現状である。

2012年12月20日