発想転換が必要である

◆終わり見えない福島原発事故、反原発の動きに勢い

反原発は良いとしても、原発に変わるエネルギーを示せないと無責任な掛け声と同等である。

火力発電は地球温暖化と絡み、水力発電は建設候補地及び維持管理と絡む。日本の地形上水力発電所建設に適する地には恵まれているものの、ダム建設による水没地域には人が住んでいる場合が殆どなので、すんなりと水力発電所が建設できるわけではない。またダムには土砂が溜まりやすいので、水力発電所の運用期間を引き伸ばすためには定期的に土砂を取り除かなくてはならない。更にダムは生態系に影響を及ぼすので、必ずしも水力発電が他の方法による発電を凌ぐと一概には言えない。

これいがいの発電方法としては風力・潮力・波力・地熱・太陽・バイオマスといった様々なものがあるが、自然条件と関わるためにどこにでも作れるわけではなく、大電力を継続的にしかも効率よく取り出せるとまでは言えない。ために水力や火力それに原子力が表舞台に立っているわけであるが、「大電力を継続的に」という考えを改めるのであれば、先に示した方法による発電も捨てたものではない。

例えば一般家屋にソーラーパネルを設置して太陽光発電を行うシステムは実用化されているが、家屋限定・地域限定といった方法での発電を推進することによって、從來からの「大電力の継続的供給」という考え方を見直すことが可能になる。
2011年04月10日