天災だけの想定では甘すぎる

◆原発「想定超え」津波考慮せず

天災によって火力発電所が損傷しても燃料の油による火災や、流れだした油による海洋汚染といった程度であるのに反し、原子力発電所は放射性物質の拡散によるところの人的被害はもとより環境破壊を招きし、偏西風によって運ばれた放射性物質は海外にまで影響をもたらすことは今更言うまでもないことである。

原水爆実験は古くは地上若しくはその近辺で行われていたが、実験の弊害をできるだけ少なくしようと地下核実験に移行したことに見習い、原子力発電所も最悪の事態を想定すらなら地上ではなく地下深くに作ることを考えるべきである。

今の日本には仮想敵国というものはないと思うが、北朝鮮の工作員やどこかのテロ組織が原子力発電所の破壊を意図しないという保証はない。つまりはどっかの国が日本に核ミサイルを発射しなくとも、放射能物質を容易に拡散できる原子力発電所が破壊されてしまえば日本に居住することすらできなくなってしまうのである。

とは言え、原子力発電所を警備するにしても万全は期待できず、その費用も半端な金額に収まるわけなどないから、原子力発電所及び核関連施設の全面的廃棄しか放射能物質による被害を最小に留める手立てはないのである。
2011年03月27日